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2015年4月29日 (水)

本棚の旅■アストロツイン/竹宮恵子

書 名/アストロツイン
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/450円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集1
初版発行日/昭和54年2月15日
収録作品/ルナの太陽、ラブバック、白い水車小屋、アストロツイン

初出:ルナの太陽/講談社「なかよし」昭和44年3月号、ラブバック/講談社「なかよし」昭和45年1月号、白い水車小屋/集英社「小説ジュニア」昭和45年2月号、アストロツイン/講談社「なかよし」昭和45年4~6月号

Photo_3


 本書は小学館から刊行された竹宮恵子の作品集、第1巻である。先行して「萩尾望都作品集」、「上原きみこ名作集」が刊行されていたが、この単行本のシリーズ名は「プチコミックス」だった。
 竹宮の作品集としては「サンコミックス」の単行本でも「傑作シリーズ」と冠されたものがあったので、2種類目という見方も出来る。収録作品も一部重なってもいて、本書収録の作品では『ルナの太陽』がそれにあたる。
 収録された4作はいずれも初期作品になるが、SFあるいはSF風味の作品を中心に編まれている。『ルナの太陽』は竹宮の最初のSF作品で、ロボットが主人公のハートフルな内容。古典的なSF作品の香りのする佳作と言っていいだろう。
『ラブバック』は意思を持った車が登場する作品で、SFラブコメディと言ってもいいと思う。レースシーンが登場するなど、「なかよし」に掲載されたにしては少年漫画的な雰囲気の濃いものになっている。
『アストロツイン』は扉ページに「フレッシュSFコメディ」と冠されているように、ドタバタ調のSFラブコメディ。発明家の父のエアカーに乗っていたら、未来から1970年にタイプスリップしてしまったルウという女の子と、サブという主人公の少年が出会うのだが、ひょんなことからお互いの頭を触れ合うと考えていることがわかることが判明。ふたりは双子なのでは? という疑惑に発展するが、ルウを追って来たトニーという少年に、それはお互いの脳の電波が同じ「アストロツイン」だと知らされる。テレパシーやタイムトラベルなどを特に解説もなく使用しているのは、発表された時期の「なかよし」の読者にどう受け取られたのか気になるところではある。もっともドタバタ調のコメディというベースがあるのでSF用語などは逆に流していく方向にあったのかもしれない。
 本作中、初出時には広告掲載スペースだった余白に「あとがき」的な書き込みがされているのだが、それによると少年漫画ばかりを読んできた竹宮にとって、少女漫画をどう描いたらいいか、悩んでいたということだ。結果、中性的な「児童漫画」を目指したということで、『アストロツイン』はそんな試行錯誤の時期に描かれたものだという。確かに本書に収録された作品は「少女漫画」よりも「少年漫画」の匂いのするコマ割りや構成であるし、そのまま少年誌に掲載されていても違和感のないものだったようにも思える。
 いずれにしても竹宮作品の原点に触れる感覚を味わえる、そんな作品が収録された一冊になっている。

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