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2013年3月10日 (日)

本棚の旅■クレドーリア621年/文月今日子

書 名/クレドーリア621年
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/370円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和61年4月14日
収録作品/クレドーリア621年(講談社「週刊少女フレンド」昭和60年22号~昭和61年1号)

 それまでも『星空の切人ちゃん』などSFチックな作品を手がけていたとはいえ、本格的なSF作品はなかった文月今日子のスペースファンタジーSF長編作品(新井素子原作の『グリーンレクイエム』という作品があるにはあるが)。
 少女漫画においてもSF作品は本作発表当時は読者も受け入れやすい環境になっていたと思うが、いかにもな宇宙船や姫と海賊の恋など、いまさら感も否めないところはちょっと残念な印象があった。構想の準備が間に合わなかったのか、ストーリー的にも文月今日子にしては掘り下げが少ない感じがしてしまうし、せっかくのSF長編がもったいない気がしてしまう。
 主人公の年齢設定は以前のようなローティーンではなく、ハイティーンが定着しているが、性格設定は『わらって!姫子』当時のまま変っていないのは文月今日子らしい。ただ本作においてはその主人公の性格も活かしきれなかったところがあり、その点でも惜しい作品ではある。
 舞台の設定が地球ではない惑星であり、宇宙での戦闘なども描かれるのはこの手の作品としてはありがちであり、ベタなSF作品といえなくもない。しかし文月作品の読者としてはこのようなコテコテなSFよりは、現実世界を舞台にしたファンタジックなものの方が、より「らしさ」を感じられたのではないかという気がする。
 結果的に文月作品のなかでは「異色の」という冠が付けられる作品になってしまったかもしれない。

2013年3月 9日 (土)

本棚の旅■夏の夜のエイリアン/文月今日子

書 名/夏の夜のエイリアン
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/370円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和57年10月15日
収録作品/夏の夜のエイリアン(講談社「週刊少女フレンド」昭和57年16号)、愛ちゃんの春一番(講談社「週刊少女フレンド」昭和57年7号)、春・夏・秋・冬(講談社「別冊少女フレンド」昭和53年3月号)、星空の切人ちゃん(講談社「別冊少女フレンド」昭和55年2月号)

 昭和50年代前半、年一冊ペース程度で刊行されていた講談社からの文月今日子の単行本だったが、気がつくとそれは途切れ本書まで間が開いていたようだ。
 その数年間で文月のタッチは変っていた。一見して絵柄が変わったとわかるほど変化している。基本的な絵柄(キャラクターのタイプ)は以前の作品と同じなのだが、小学生として作ったキャラクターを無理に大人にしてしまったような印象もあり、以前の作品が好きだった自分としては違和感を感じたのは否めない。全体的に緻密な書き込みが少なくなり、パッと見「雑」な印象さえ受けた。画面上、書き込みを減らして全体的に白い印象になってしまっているのは文月に限らず、この時期の漫画界全体にいえることではあるのだが、どうしても「劣化」という感じがしてしまって読む気をなくしてしまうところがあった。この流れの元には、70年代の終わりにあった石井 隆や大友克洋など青年漫画誌系作家が注目されたことがある。それはGペンの太い輪郭線や過度な斜線・効果線描写という印象の少年漫画にシャープな輪郭線や簡略する描写というものを流行らせ、瞬く間に漫画界全体に広がって行った。元々主線は細かった少女漫画でも、それまで特徴的だった描き込み(たとえばヒロインが登場するときにバラを背負っていたりするような)が少なくなっていった。画面構成に於ける少年漫画・少女漫画・青年漫画の違いはこの時期かなり曖昧になっていたのではないかと思う。それはジャンルに捕らわれることのない「漫画」という表現の模索だったのかもしれない。
 本書に収録された作品は『星空の切人ちゃん』がSFコメディであることをのぞけば、他の作品は全てラブコメディ。『星空の切人ちゃん』は単行本刊行後に描かれた読みきり作品だが、特にサブタイトルのようなものは付いていない。また最初の作品は短いエピソードの連作だったが今回はいくつかのエピソードをひとつのストーリーにまとめている。『春・夏・秋・冬(・はハートマーク)』は以前の絵柄から変化しかけている時期で興味深い。
 ところで、巻末には講談社コミックス・フレンドシリーズの刊行リストが掲載されているのだが、文月今日子の単行本からは『わらって!姫子』『銀杏物語』『星空の切人ちゃん』『地中海のルカ』といったタイトルがなくなっている。すでにこの時期に絶版入りしていたのかと思うと残念である。

2013年3月 8日 (金)

本棚の旅■銀杏物語/文月今日子

書 名/銀杏物語
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/350円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和52年7月15日
収録作品/銀杏物語(第1話~第3話)、白き森の地に

『銀杏物語』は「別冊少女フレンド」の昭和50年11月号から51年1月号に連載された作品。また『白き森の地に』は昭和52年3月号に掲載された。
『わらって!姫子』の姫子をもう少し女の子らしくしたような、活発だが気遣いのあるチイこと千草が主人公の物語。
 父親が教師で、地方の小学校の校長に就任したのをきっかけに、東京からイチョウで金色に染まった村に引っ越してきた千草たち。都会からの転校生と地元の子供たちという微妙な関係にも多少は触れつつも、明るく元気なチイのペースで物語は進んでいく。
 小学校なので6学年あり、特に年の違う生徒が同じ教室で学んでいるというわけでもなさそうなのだが、登場する教師は、父親の校長とチイの担任の遠藤先生のふたりだけ。第3話ではチイの姉で大学生の初音も冬休みを利用して村にやって来て、将来は教師になりたいと告白していたりはする。
 基本はチイを中心にした子供たちのふれあいを描いているのだけれど、教師の遠藤も村の出身で、貧しい村をどう改革していくか、そのために子供たちにどのような教育をしたらいいかと日々考えていたり、大人の読者にも充分手応えのある内容になっている。というより、ストーリー自体はテレビドラマや劇場映画として作られても、老若男女の鑑賞に堪えうるようなもので、「少女漫画」というレッテル付けは無意味だろう。昨今のコミック原作のドラマや映画の企画にこのような作品もラインナップして欲しいものだ。
 タイトルでもある『銀杏物語』に関しては、村にイチョウの樹が多くあり、秋には銀杏が文字通り履いて捨てるほどであるところから付けられていて、この銀杏が第3話で予想外のクローズアップをされる。
 村を象徴するものとして銀杏が取り上げられていて、特に銀杏にまつわる何か、があるわけではない。まあ、タイトルがストーリーの伏線になっているといってもいいのかもしれない。
『わらって!姫子』同様、本作でも文月の季節感の表現は冴えていて、秋から冬の田舎の風景は、そういう場所で暮らしたことのない者にも懐かしさを感じさせる。
『白き森の地に』はカナダを舞台にした、運命に翻弄されるひとりの女性の物語。こちらも重厚なストーリー構成で読みごたえも充分。この時点で文月は作家として完成してしまっていたような感すらある。

2013年3月 7日 (木)

本棚の旅■地中海のルカ/文月今日子

書 名/地中海のルカ
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/350円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和53年9月15日
収録作品/地中海のルカ、野いちご白書、ボタン玉ふたつ

『地中海のルカ』は昭和53年6月号、『野いちご白書』は昭和53年2月号、『ボタン玉ふたつ』は昭和52年11月号と、それぞれ講談社の「別冊少女フレンド」に掲載された。
『地中海のルカ』に関しては単行本刊行以前に掲載誌で読んでいて、個人的には印象深い作品のひとつだ。単行本ではモノクロ印刷になってしまっているカラーページも美しかった。
 物語は紀元前の地中海、ローマ帝国とローマ軍に滅ぼされたカルタゴの生き残りである海賊との戦いが描かれる。
 ルカというローマ軍に多大な被害を与えている海賊の討伐に、若きローマの軍人が派遣されるのだが、ルカはその代が変わり14歳の少女が海賊団の頭目として指揮していることを知る。
 海賊を滅ぼすことが地中海の平和のために本当に必要なことなのか、若き軍人は考え、海賊を辞めるのを条件にカルタゴに代わる土地を提供すると申し出るのだが…。
 ルカは、文月作品にはよく登場する元気な男勝りな少女のひとりとして描かれている。年の離れた副頭目と先代ルカによって婚約しているが、身分を隠して海賊の島に入り込んだローマの軍人に心を動かされる。
 海賊船とローマの軍艦の戦いなど、ダイナミックな画面構成もあり、またルカの淡い恋心も描かれるなど、映画を観ているような作品に仕上がっている。ただ読みきり作品というページ制限のためか、少々展開を急ぎすぎている感は否めない。連載作品としてじっくり描いてほしかった気もする。
『野いちご白書』は、父親の再婚を許せずに家出して、叔母の下宿屋に転がり込んだ美香を主人公にしたラブコメディ。
『ボタン玉ふたつ』も幼馴染みの3人(女の子ふたりに男の子ひとり)が登場するラブコメディ。子供の頃に仲のよかった3人も、成長するに連れてそれぞれの思いに気がついていくという展開。
 読み切りの中短編を3編収録した本書は、文月今日子の作品を初めて読むという人にもオススメな一冊かもしれない。

2013年3月 6日 (水)

本棚の旅■星空の切人ちゃん/文月今日子

書 名/星空の切人ちゃん
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/350円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和53年5月15日
収録作品/星空の切人ちゃん(1~4話)、ななちゃんの日曜旅行、パフ、ノクターン、ポテトチップス物語

 連作短編シリーズ『星空の切人ちゃん』を中心にした文月今日子の短編作品集。『~切人ちゃん』は文月作品の中でも人気が高いようで、後年刊行された作品集でも表題作のひとつとして単行本化されている(本書に未収録のエピソードが収録されるなどもしている)。
 カッコ悪くてドジな切人と、またまた男勝りな未知のコンビが活躍するSF風味のコメディ作品。また、天文学者である未知の父親は研究室に閉じこもり気味で、母を亡くしている未知と、同居する切人のためにメイドが雇われるのだが、この「おハナさん」というメイドが実にいい味を出し、シリーズの魅力を引っ張っている。
 単行本刊行からすでに30年以上が経ってしまったわけだが、ひ弱でカッコ悪い切人も草食系メガネ男子なんて呼び方をすればちょっと見方も変わるかもしれない(笑)。発表当時からそれなりの人気を保っていたということは、こういうタイプの男の子は案外昔から女子に支持されていたのかもしれない。
 本書は、表題作が確かに傑作ではあるのだが、収録されたそのほかの短編も文月今日子ならではの名作揃いといっていい。とくに個人的に気に入っているのが『パフ』だ。12ページの短い作品だが、その内容の奥深さには何度読んでもため息が出てしまう。短編作品、ショートショート作品とはこうあるべきという気になる。
 気軽なコメディ作品、奥の深いドラマと文月作品の魅力を堪能できる単行本としてはオススメの一冊という印象も強い本書だが、古書店での入手もちょっと困難かもしれないのは残念なことである。

初出
星空の切人ちゃん/講談社「マイフレンド」昭和51年春の号
ななちゃんの日曜旅行/講談社「「別冊少女フレンド」昭和53年1月号
パフ/講談社「ラブリーフレンド」昭和51年新年号
ノクターン/講談社「月刊ミミ」昭和52年3月号
ポテトチップス物語/講談社「別冊少女フレンド」昭和52年8~12月号

2013年3月 5日 (火)

本棚の旅■わらって!姫子/文月今日子

書 名/わらって!姫子
著者名/文月今日子
出版元/講談社
判 型/新書判
定 価/350円
シリーズ名/講談社コミックス・フレンド
初版発行日/昭和52年4月15日
収録作品/わらって!姫子(第1話・家出しちゃったの巻、第2話・恋しちゃったの巻、第3話・プレイボーイ銀次郎の巻、第4話・クリスマスの天使の巻、第5話・恋ふたたびの巻)、マリーネの真珠

『わらって!姫子』は講談社の「別冊少女フレンド」昭和51年9月号から52年1月号にかけて連載されたホームコメディ作品。また)マリーネの真珠』は同じく「別冊少女フレンド」の昭和51年7月号に掲載された読み切り作品。
 文月今日子はデビューが『フリージアの恋』という作品で(昭和49年)、これも「別冊少女フレンド」に掲載されている。
 現在も新作を発表している現役漫画家のひとりではあるが、個人的には文月がもっともノッていた時期の作品はこの『わらって!姫子』だったのではないかと思っている。もちろん作家も成長するし劣化もする。読者の感覚と作家自身の手応えが必ずしも一致しないかもしれないが、作画面、ストーリー構成ともに文月作品の中で本作は完成度の高いもののひとつなのは間違いない。
 登場人物は主人公の姫子に双子の王三郎、このふたりは性格的には男女が入れ替わっているような感じで、勝気な姫子におとなしい王三郎という設定になっている。長男はおっとりした大学生の金太郎。次男の銀次郎は女子にモテモテのプレイボーイ。父親は短気な大工で母親はテレビドラマで活躍する美人女優。妻のラブシーンに耐えきれず夫婦喧嘩の末、道を一本隔てての別居生活になっている(子供たちは父親と同居)。また第2話から姫子のカレシとして満がレギュラーとなる。
 本作はほのぼのとした気分になれる、安心して読める作品といえるのだが、なんといっても季節感を感じられるところが気に入っている。第1話では夏、第2話、第3話では秋、第4話では冬、第5話では正月と春、サクラの並木道と発表月号に合わせてそれぞれの季節が描き込まれているわけだが、その季節を象徴するものの描き方がこちらの感覚と一致するのか、単に物語の設定として季節を説明しているということ以上に皮膚感覚で季節を感じてしまうところがある。ことに第1話の夏の夕暮れなどは非常に印象が強い。
 男勝りな女の子が大暴れするという、アバウトな紹介も可能なのだが、類似のキャラクターが登場するコメディ作品とは一味違う文月今日子ならではの魅力がそこにはある。文月の絵柄もそうだろうが、演出面での緩急のつけ方が絶妙なのだと思う。
 少女漫画作品は少年漫画よりも復刊の機会に恵まれない状況にあるが、本作は繰り返し刊行してほしい作品のひとつだ。もし自分が少女漫画の全集を企画するのであれば必ずラインナップに入れたい作品でもある。

『マリーネの真珠』はひとりの少女が運命に翻弄されるドラマで、短編作品のお手本といっていい仕上がり。このような作品を読むたびに少女漫画の黄金時代は70年代だったのではないかと思う。


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