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2009年11月18日 (水)

■猫面/楳図かずお

初出/描き下ろし(1963年・貸本)
書誌/佐藤プロ・楳図かずお恐怖シリーズ
        佐藤プロ・ナック(1~2号・1967年7月、9月)
         佐藤プロ・ティーンルック(13~15号・1968年)
         佐藤プロ・花文庫(1969年)
         こだま出版・狐がくれた木の葉っぱ(1984年)
         小学館・妄想の花園 はじめの妄想(2001年)
         小学館クリエイティブ・復刻名作漫画シリーズ(2008年8月26日)
      
 本作は、すでに恐怖漫画というジャンルに手を染めていた楳図が、その恐怖として残酷描写に挑んだものである。
 タイトルのように、猫にそっくりな顔を持って生まれたある猫ぎらいな殿様の子供が、成長し城主となったのち、一目惚れした女性の恋人を、人工的に自分と同じような顔に作り替えるというシーンがそのハイライトとなる。例えばそれは、後に『半魚人』でも描かれる刃物で口の両端を切り開くものだったり、型に押し込めて無理やり猫背にするのもだったり、鉤の付いた鞭で打つものだったりするのであるが、城が火事になり、そのどさくさで城主と、人工的に猫面にされた恋人が入れ換わり、しかし立場が入れ替わっただけで残酷な形は続けられていくという内容である。もちろんここには楳図作品の特徴である人の心の恐ろしさ、憎しみなどの心が常識を逸脱していく恐ろしさが描かれる。
 作品が発表された当時、貸本業界は白土三平などのリアルさを追求した忍者もの、時代劇が人気で、一般的にも南条範夫の残酷ものが流行っていたようだ。このような流行りはいったん収束したわけだが、その後スプラッターと呼ばれてふたたび流行した。
 楳図はスプラッターブームの頃には『神の左手悪魔の右手』という連作ものを手がけていて、肉体的な(痛みの)恐怖を描いたが、そのおよそ20年前に描かれた『猫面』の迫力を越えることはなかったように思う。小学館クリエイティブで復刻された当時の作品を読んでみると、『神の左手悪魔の右手』に比べて圧倒的に描き込みが少ないのだが、猫にそっくりな異形の登場人物の持つ存在感、なによりも描写の勢いというものが『猫面』にはあるといえる。
 
 初出単行本が刊行されたあと、佐藤プロの貸本向け短編集に2回、3回の分載として再録。その後、花文庫の1巻として再刊行。このあと原稿が紛失したらしく、こだま出版版でトレス原稿が作られ、妄想の花園ではそのトレス版に補筆したものが使用された。
 
*umezu半魚文庫(http://www.kanazawa-bidai.ac.jp/~hangyo/umezu/index.htm)の作品リストを参考にしました。

2009年11月11日 (水)

本棚の旅■人魚物語/楳図かずお

書 名/人魚物語
著者名/楳図かずお
出版元/小学館クリエイティブ
判 型/A5判・カバー装
定 価/2300円+税
シリーズ名/復刻漫画名作シリーズ(ただし本書にこの記載はない)
初版発行日/2007年7月4日
収録作品/人魚物語(講談社・少女フレンド/1966年26号~29号)
       あなたの青い火が消える!(講談社・少女フレンド/1965年46号)
       百本目の針(講談社・少女フレンド/1965年30号)
     
 楳図かずおのデビュー50周年とも重なり、小学館クリエイティブでの旧著復刻は盛んになり、本書もその一冊。元版は佐藤プロの貸本屋向け単行本「花文庫」だが、このシリーズでも当時、楳図の作品はかなり集中して出されていたようだ。
 少女漫画の貸本短編集「花」や「虹」といったメディアから大手少女マンガ誌である「少女フレンド」に活躍の場を移し,さらには「少年マガジン」などの少年誌へと進出していくころの楳図かずおであるから、衰退をはじめていた貸本出版社としては、楳図の作品は安定した売り上げを見込めるものだったのは想像できる。そこで貸本短編集に掲載された作品以外にも、本書のように大手商業雑誌に連載、発表された作品も刊行本という形で出されることになったのだろう。現在のように掲載雑誌のブランドで連載作品が単行本化されることがシステム化されていなかった時代であるから、雑誌に発表した作品を二次使用できる貸本屋向け単行本も、作家にとっては渡りに舟だったかもしれない。
 しかし、そのようにして出された単行本の元原稿はそのまま紛失してしまう。本書に収録された作品も、その後にだされた単行本などはトレース原稿やトレース原稿に加筆や修正を加えたもので、オリジナルの復刻は今回が初めてとなる。
 表題作である『人魚物語』は、人魚姫に雪女のエッセンスを加えたような雰囲気のファンタジー。『あなたの青い火が消える』は貸本で発表したものを「少女フレンド」向けにリメイクしたもの。『百本目の針』は藁人形の呪いをアレンジしたアイデアの作品である。『人魚物語』以外は読み切りでもあり、結末がちょっといきなりすぎるきらいもあるが、納得できないものではない。少女マンガ誌ということを意識したのか、貸本に発表されていた恐怖作品より画面的にもあっさりした印象がある。もっともこの時期の楳図は仕事量が増えてアシスタントを使い始めたということであり、もしかしたら描き込みたくても描き込めないような状況もあったのかもしれない。

 

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