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2006年7月 2日 (日)

■魔神ガロン/手塚治虫

■魔神ガロン/手塚治虫

初出:冒険王(秋田書店)
書誌:秋田書店/1巻
     秋田サンデーコミックス/全1巻
     手塚治虫漫画全集(講談社)/全5巻
     秋田文庫/全3巻

 手塚治虫の作品を最初に読んだのは、秋田サンデーコミックス版の『魔神ガロン』だったのではないかと思う。
 もちろん『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』といったテレビアニメは見ていたし、手塚の名前は知っていたが、まとまった形で作品を読むといったことはそれまでなかったように記憶する。
 ガロンは、宇宙人によって地球に送られ、地球人がガロンをどう扱うかによって、宇宙から迎えられる存在であるかを問われるのだが、地球の科学をはるかに超えた能力を持つガロンを、ある時は恐れ、ある時は悪事に利用しようとする人々に、バラバラにされて送られたガロンを組み立てた科学者、敷島博士と、ガロンの頭脳である、ピックという、少年の姿をしたアンドロイドと兄弟として育ったケン一少年は苦悩する。

 当初刊行されたハードカバー版の単行本は1巻のみで、続巻は未刊行。そのあとに出された秋田サンデーコミックス版も全1巻として刊行され、全体の半分も収録されなかった。のちに、手塚の死後になって刊行された全集版で、3~5巻がようやく刊行された。
 当初は、後半で日本を飛び出し世界を舞台にしたことで、人種差別的な表現が含まれていて刊行できないのだとか、まことしやかな噂も流れていたが、実際は、3~5巻を見れば明らかなように、明らかに手塚自身のペンではない、稚拙な絵が多く、作品の完成度の問題から、生前には手塚自身が刊行を拒んだものと思われる。ストーリーの面でも、世界を舞台にしてスケールは大きくなったものの、迷走している感も否めない。結果的に秋田サンデーコミックス版の全1巻が、もっともまとまった形になっていたようである。
 そんなこともあってか、手塚は「ガロン」というキャラクターをなんとか活かそうとしたのか『マグマ大使』や『鉄腕アトム』にも「ガロン」として登場させている。また実写特撮作品としても企画されたことがあり、パイロットフィルムが確認されている。

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