2009年6月29日 (月)

本棚の旅■マジンガーZ/永井 豪

書 名/マジンガーZ[起動編]
著者名/永井 豪
出版元/秋田書店 
判 型/B6判
定 価/571円+税
シリーズ名/AKITA TOP COMICS WIDE
初版発行日/2009年7月10日
収録作品/マジンガーZ

 テレビアニメ『真マジンガー衝撃Z編』の放送に合わせて原作コミックをコンビニ向け単行本として発行したもの。
 本作品は「少年ジャンプ」に連載された後、集英社のジャンプコミックス、朝日ソノラマのサンコミックス、講談社のKCコミックス、朝日ソノラマのサンワイドコミックス、講談社の講談社文庫コミック版などが刊行されているが、元判であるジャンプコミックと連載時の復刻である講談社文庫版以外はテレビアニメに合わせて、弓博士などが描き変えられている。今回の秋田書店版も、その描き変えられた版である。もっとも、サンコミックス、KCコミックスともに連載時とは収録順序が変わっていたので、描き変えられたものでの連載通りの収録はこれが初になるはずである。
 なのであるが、非常に残念なことに本書32ページは本来34ページになるはずで、33ページ、34ページはそれぞれ1ページずつ繰り上がっていなければならない。なぜこんな入れ違いが起きてしまっているのか理解に苦しむ。33ページが全面の断ち切り1枚画であることが理由なのかもしれないが、それにしても32ページに持ってこれないものではない。明らかな編集ミスといえるだろう。またところどころに挿入されたエピソードのサブタイトルも流れを無視した挿入のしかたで首をひねる。いくらコンビニ向けのお手軽単行本とはいえ、これではせっかくの名作も台無しではないか。
 

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2009年6月24日 (水)

ジャングル大帝、テレビ新アニメシリーズ

フジテレビの開局50周年と手塚治虫生誕80周年を記念して「ジャングル大帝」のテレビシリーズが新しく作られているようです。
ですが…やっぱりなんか勘違いしてない? と思ってしまうのですよ、わたしは。
声のキャスティングも俳優やアナウンサーで視聴者の興味を引こうとしてるし、切り楽タキャラクター原案に天野善孝って、手塚のイメージから遠くないですか? シナリオも新進気鋭といいつつ、バラエティーの実績しかない人だし…。

ハリウッドで原作から離れたイメージの作品が作られるのはいたしかたないとしても、国内でこれでは…と、思ってしまうのです。

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■ABCディ/貝塚ひろし

Photo ■ABCディ/貝塚ひろし

初出/まんが王・1968年1月号~8月号(秋田書店刊)
書誌/パンローリング・マンガショップシリーズ(全1巻)

 ABCの掛け声でヒーローに変身する貝塚ひろしのSF作品。
 ヒーローの乗り物に円盤を設定したのはこの時代としてはけっこう先駆けていたのではないだろうか。また地球空洞説、その空洞の中に地上の人類とは別の人類が、地上の人類よりも発達した科学文明を持っているなど、70年代にはいって多く描かれたSF漫画の設定もみられる。もっともその空洞世界やヒーローの力をなぜ地上の少年たちが与えられたのか、ということは詳しく触れられてはない。
 また空洞世界がリュウ王国、そこを治めているのがオート王女と、龍宮城、乙姫につなげているアイデアはなかなか面白い。このあたりをもっと掘り下げていたら、また違った展開もあったのでは、とちょっともったいない気もした。
 主人公は天文学の星島博士の子供、英二とその妹で静子、英二のクラスメイトのビー助の3人。それぞれA、B、Cに当てはめられたネーミングではあるが、なぜこの3人がヒーローとして選ばれたかということもあやふやなままだった。
 リュウ王国から3人のお守り役として犬が地上に派遣されてくるのだが、もうひとつ活躍がなかったのも惜しい。
 貝塚にはほかにも『1、2作戦』というヒーロー作品があるが、本作のABCといい、ちょっと勢いを感じるネーミングが好みなのかもしれない。
 

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2009年6月21日 (日)

本棚の旅■隣室の男/松本正彦「駒画」作品集

書 名/隣室の男
著者名/松本正彦
出版元/小学館クリエイティブ(発売・小学館)
判 型/A5版
定 価/3619円(本体)
シリーズ名/なし
初版発行日/2009年6月17日
収録作品/「劇画バカたち !! 第1話」ビッグコミック増刊1979年2月23日号、「隣室の男」影1号1956年3月、「濃霧」影2号1956年4月、「不知火村事件」影7号1956年9月、「猫と機関車」影9号1956年11月、「天狗岩の怪」街2号1957年4月、「灯台島の怪」鍵1号 1957年6月、「夕立」街6号1957年6月、「友ありて」熱血男児1号1958年2月、「指紋」街・別冊怪奇特集1958年3月、「京介誕生記」影32号1959年5月、「広い天の下」熱血男児13号1959年5月、「どくろに頼む」迷路・別冊怪談ミステリー特集1959年7月、「ある殺人」街35号 1959年12月、「重たい影」影40号1959年12月、「裏窓」辰巳ヨシヒロマンガジン3号1960年3月、「涙を売る男」影45号1960年3月、「どこかへ…」別冊土曜漫画コミック1973・10・26号

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2009年6月 1日 (月)

ATOM

ハリウッド版鉄腕アトムの予告編が公開されています。
画像的には「アトム」のイメージを壊さないもののようですが、予告編に表示される文字に疑問が…。

「ボクは死んだ…」「そして父さんが新しい命をくれた」というようなものなのですが…。

たしかにアトムは天馬博士が交通事故で死んだトビオの代わりに作ったロボットという設定になっていますが、トビオのサイボーグではないし、電子頭脳にトビオの記憶を記録しているわけでもありません。
この予告の通りにストーリーが進められるとしたら、トビオの新しい体としてのアトム、という全く違った話になってしまう可能性があります。
まあ、映画の予告を作ったスタッフの、鉄腕アトムという作品に対する誤解なんだと思いますけどね。

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2009年5月 7日 (木)

やまだ紫さん、さようなら

やまだ 紫さん(やまだ・むらさき=漫画家、京都精華大教授、本名白取三津子=しらとり・みつこ)5日死去、60歳。東京都出身。自宅は京都市。葬儀・告別式は親族のみで済ませた。喪主は夫の千夏雄(ちかお)氏。69年、「COM」誌上でデビュー。「ガロ」などで作品を発表した。代表作は「性悪猫」「しんきらり」など。89年には参院選に「ちきゅうクラブ」から立候補した。
[共同ニュース・WEB版]より

ご冥福をお祈りいたします。

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2009年3月10日 (火)

DIG-UP COLLECTION■ロッテ ポップルチョコレートおまけ「まんがカプセル」

 1970年頃、ロッテ製菓から「ポップルチョコレート」という筒状のチョコレート菓子が発売されていた。その商品には「まんがカプセル」というおまけが付いていた。
 プラスチック製の筒状のケースに巻物状の細長い紙が入っていて、横長の左から右に読んでいくコマ漫画が印刷されていた。これが「まんがカプセル」である。
 ケースは複数のケースをドッキングさせることができ、ロケットのようなイメージである。また色も赤や青など何種類かあった。

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2009年1月24日 (土)

■ベビーテック/桑田次郎

Photo ■ベビーテック/桑田次郎

初出:日の丸(1959年9月号~61年7月号)
書誌:マンガショップシリーズ・全3巻
   アップルBOXクリエート・全4巻
   
『まぼろし探偵』『Xマン』『ガロロQ』と同時期に連載されていた作品。もうひとつの『まぼろし探偵』という味方もできるような内容だが、ベビーテックとなって活躍する健二少年の正体、というかなぜベビーテックになるのか、ベビーテックのメカなどの小道具は誰が作ったのかなどということは最後まで謎のままだった。
 エピソードも、最初の「夜の魔王」が案外あっけなく終わったので、続く「バット団」も長くはないのかと思ったら、ほぼこのバット団と団長の池袋博士がベビーテックの敵として出ずっぱりとなっていた。
 人気連載作品をほかにも抱えていたためか、明らかに桑田自身のものではない絵で描かれたページが、多いときで連載一回分くらい、何度か出てくる。あまり単行本には恵まれていなかった桑田とはいえ、そういうこともあって単行本化しなかったのではないかとも感じられてしまう。
 

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2009年1月 5日 (月)

■劇画漂流/辰巳ヨシヒロ

2733 ■劇画漂流/辰巳ヨシヒロ

初出:まんだらけマンガ目録8号(1995年3月)~まんだらけZENBU33号(2006年12月)
書誌:青林工藝社・上下巻

 ひと言で言ってしまえば、これは辰巳ヨシヒロの自伝作品である。が、同時に漫画史における劇画誕生の記録であり、大阪を中心とした貸本マンガ史とも言える。
 それまで子供が読むものとして「漫画」という呼称でひとくくりにされていた自分の作品を、青年層が好んで手を延ばすような内容や表現であることから、自ら「劇画」と呼ぶことにして活動していた辰巳ヨシヒロと、彼の考えに同調して集まった仲間たちによる「劇画工房」については、たとえば佐藤まさあきの自伝『「劇画」の星をめざして』や辰巳の実兄・桜井昌一の『僕は劇画の仕掛け人だった』等でも知ることは出来るが、その中心にいた辰巳の証言という意味で本作は意味があるだろう。また、劇画発祥の舞台となった貸本マンガについてはあまり資料がなく、その意味においても貴重な作品といえる。
 正直なところ辰巳ヨシヒロの作品はあまり読んでいない。小学館文庫(旧)で出た『鳥葬』を、刊行からだいぶ経ってから読んだのが最初だし、貸本時代の作品となると青林工藝社でから復刻された『大発掘』や『大発見』などに収録されたものくらいだ。またその他の作品というと秋田書店から出た『乾いた季節』といったところか。
 個人的な印象で言うと、さいとうたかをなどの劇画作品よりも漫画的な感じを受けた。理由としてはさいとうたかをなどの作品よりもキャラクターが漫画チックというのがあるかもしれない。が、この『劇画漂流』でも語られているように、自らの作品を「劇画」と呼ぶのは絵的なリアルさということではない。作品のテーマや演出面での、それまでの「漫画」とは違った表現を追求した結果なのである。
「劇画」が貸本マンガから育ってきたというのには理由があると思う。ひとつには雑誌に発表される作品より編集者の作品の内容に関する締めつけが緩かったことがあるだろう。ひと言でいえば雑誌よりも自由に作品が描けたということだ。本作中、新しい表現を模索していく姿が描かれているが、ライバルともいえる同業漫画家の作品に刺激されたりしながらも、その過程で作品や表現について意見を闘わせるのは主に兄とであり、編集者と作品について語ったり論じ合ったりしているシーンが見られないのも、当時の貸本出版社がそれほど内容にこだわっていなかったことをうかがわせる。
 あとがきや解説を読むと掲載誌側の事情で連載が終了したとのこと。作品として終わっていないということではないが、実質未完といえなくもない。「劇画工房」から離れ、「劇画」というものに熱意を失くした主人公が、またその熱意を取り戻すところで終了しているが、その後の貸本マンガの終焉、青年マンガ雑誌の誕生あたりまで続いてくれるとさらに漫画史的に興味深い資料となったのではないかと残念ではある。

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2008年12月12日 (金)

■ナショナル・キッド/一峰大二

9784775912812 ■ナショナル・キッド/貴瀬川実・原作、一峰大二・画

初出:ぼくら(1960年7月号~1961年12月号)
書誌:講談社(全3巻)
   コミックペット(全2巻)
   アース出版(全3巻)
   マンガショップシリーズ(全3巻)

 この作品はテレビドラマのコミカライズ作品である。なので、当時テレビ作品を観ていた人の中には一峰大二・画のコミック版目当てに「ぼくら」を読んでいた人も多いだろう。残念ながらそのあとの世代である自分は、サン出版の「コミックペット」シリーズで復刻されるまで作品名は知っていたが読む機会はなかった。とはいえ「コミックペット」版は全2巻、1,2話のみの収録だった。その後アース出版から未収録部分を含めたハードカバーの全3巻が刊行され、マンガショップ版も同様の内容である。
 科学者の旗 竜作が無敵のヒーロー、ナショナル・キッドに変身して宇宙人や海底人から地球と人類を守るというのが基本的なストーリー。空を飛べたり壁をすり抜けたりする力を持っているが、敵を倒すのはエロルヤ光線という銃である。胸に大きく記されたNマークと作品タイトルでもあるナショナル・キッド」はテレビドラマの提供会社だったナショナル(現・パナソニック)に由来する。
 第1話「インカ族来襲」は、インカ帝国の人々が宇宙船で金星に移住していて、改めて地球を征服に来るというもので、「インカの遺跡に円盤のような絵が描かれている」といったエピソードなどもあって、これが石ノ森章太郎だったらまた面白くなったんじゃないかと思ってしまう。
 インカ族を指揮してナショナル・キッドに対抗するのが女性(らしい)というもの当時としてはユニークだったのではないかと思うが、一峰大二の画ではちょっと魅力に欠けるのが残念である。
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