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■漫画博物館/序の序

■漫画博物館/序の序

 ようやく本ブログのメインとなる『漫画博物館』を読んでいただける状況になりました。とは言っても最初の数回は過去に発表したものであることを述べておかないとイケナイでしょう。
「漫画博物館」それ自体の変遷については、また改めてお話しするとして、まずはそれがどんなものか、お読みいただければ幸いです。

2006.10.06

2015年11月 6日 (金)

電子書籍■Amazon Kidle版 うちの本棚

 Amazon Kindleから「うちの本棚」を4タイトル刊行しました。
「樹村みのり」「河あきら」「田渕由美子」「文月今日子」です。
 よろしくお願いいたします。

 ご購入はこちらへ。

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2015年5月 7日 (木)

本棚の旅■Comic Jun創刊号

書 名/Comic Jun創刊号
著者名/---
出版元/サン出版
判 型/B5判
定 価/380円
シリーズ名/---
初版発行日/昭和53年10月1日
収録作品/---

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 70年代後半ににわかに盛り上がった美少年と同性愛をテーマにした少女マンガ作品。そしてそれ自体を雑誌のテーマにして刊行されたのが、この「Comic Jun」である。しかし誌名が某ファッションブランドとかぶっていたことからクレームが入り、3号目から「Comic June」と変更になる。そして美少年、同性愛ジャンルの代名詞となっていった。
 創刊当時の編集長はサン出版で官能劇画誌やSM雑誌を手がけていた桜木徹郎氏。それまでのキャリアから考えると畑違いという印象もあるのだが、官能劇画誌の匂いのする誌面造りは既成の少女漫画誌にない新鮮さがあったかもしれない。とくに漫画作品だけではなく小説など文章ページが多めであることも本誌の特徴となっていただろう。
 創刊号の目玉は、なんといっても竹宮恵子の『変奏曲』だろう。外伝的な短編ではあるが当時の人気作品のエピソードが掲載されたことが本誌の売り上げに貢献したことは想像に難くない。また折り込みポスターとして青池保子、カラーイラストに大島弓子、木原敏江といった人気作家を集めている。ほかに2色のイラストストーリーでまつざきあけみ、『少年派宣言』中島 梓。また奥付にはスペシャルサンクスとして、さべあのま、高野文子の名前もある。また異色中の異色、ひさうちみちおの『パースペクティブキッド』が掲載されていたのも忘れられない。

 美少年、同性愛ジャンルはこのあと次第に盛り上がり、耽美と呼ばれ、BL(ボーイズラブ)と呼ばれるようになっていった。もっともそこには同人誌の存在も大きく影響していたのだけれど。

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2015年5月 6日 (水)

本棚の旅■竹宮恵子の世界/竹宮恵子

書 名/竹宮恵子の世界
著者名/竹宮恵子
出版元/まんがはうす
判 型/B5判
定 価/400円
シリーズ名/LOVELY COMICS
初版発行日/昭和52年12月10日
収録作品/イラスト(作品扉絵その他/カラー&モノクロ)、インタビュー、単行本リスト、作品リスト、ほか。

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 これは大阪の「まんがはうす」というところから刊行されたパンフレットのような小冊子で、竹宮ファンによるものという印象の強いものだ。
 メインは『風と木の詩』や『空が好き!』といった作品の扉絵等、カラーやモノクロのイラストで、ほかに単行本リストや作品リストが掲載されていた。もっとも興味深いのは竹宮へのインタビューで、6ページの充実した内容。またそのほかに1ページで直筆の読者へのメッセージも掲載されている。
 発行形態が一般的な雑誌などとは違うので、全国どこの書店でも手に入るというものではなかったと思う。ボクはその当時、神田神保町の書店でたまたま見かけて手に入れたのだが、その偶然がなければ存在そのものを知らないままだったかもしれない。
 体裁的にはイラスト集と言ってもいいのだろうが、このころ小学館からは「少女コミック」の増刊として「フラワーコミックス」というイラストがメインの作家特集号が刊行されたり、徳間書店からは「テレビランド」の増刊として「イラストアルバム・アニメージュ」、白泉社からは「チェリッシュブック」が刊行されるなど、漫画作品以外のイラストやエッセイといったものを集めた出版物がけっこう出されていた。そういった関係で本書もその流れのひとつという印象で手にしたのだが、表紙を含めて22ページの半分ほどが読み物という内容は、イラスト集というよりファンブックという感じを受けた。『地球へ…』のヒットもあって男性ファンも急増していた時期でもあり、このような冊子の刊行も頷けるところだ。

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2015年5月 5日 (火)

本棚の旅■ファラオの墓/竹宮恵子

書 名/ファラオの墓(全5巻)
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/第1巻・480円、第2巻・450円、第3巻・480円、第4巻・480円、第5巻・480円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集9~13巻
初版発行日/第1巻・昭和54年6月15日、第2巻・昭和54年7月15日、第3巻・昭和54年8月15日、第4巻・昭和54年9月15日、第5巻・昭和54年10月15日
収録作品/ファラオの墓

初出:小学館「週刊少女コミック」昭和49年38号~昭和51年8号

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 小学館の「竹宮恵子作品集」、最後を飾るのは代表作の『ファラオの墓』だ。「フラワーコミックス」版全8巻を作品集では全5巻に編集している。
 古代エジプトを舞台にした壮大な歴史物語で、質・量ともに代表作と呼ぶにふさわしい作品だ。
 5巻に収録された部分の「こぼれ話」(初出時には広告スペースだったと思われる余白に作者が手書きした解説)には、本作がもともとデビュー前の習作であり、それが編集者の目に留まり連載作品に発展したとある。
『ファラオの墓』というタイトルは印象的だし、秀逸だとは思うが、作品中「ファラオの墓」であるピラミッドやその建設シーンが描かれるのは物語の最初のほうの短いシーンのみ。印象的なタイトルではあるものの、本作の内容を象徴するものではないという気もする。
 本作が描かれた時点では、これが竹宮にとってもっとも長い作品であったし、歴史ものというジャンルも竹宮にしては珍しいものだった。さらにいえば『空に好き!』でパリやモンマルトルといった特定の都市を舞台にしていながら、はっきりとその風景を描いていない印象があったのだが、本作では古代のエジプトの町や砂漠の風景を充分に描いてもいる。また女性キャラクターが全編にわたって重要な役割を演じているのもそれまでの竹宮作品には見られない特徴といっていいと思う。
 主人公サリオキスの妹ナイルキア、敵国王スネフェルの婚約者アンケスエン、物語の最後でサリオキスと結ばれるアウラなど印象的な女性キャラクターが多い。もちろんほかの作品に印象的な女性キャラクターが登場しなかったわけではないが、要所要所に顔を出すだけという感じで、ストーリーの進行を左右しているのは殆どが男性(少年)キャラクターだったという気がする。
 そういった意味では、本作は竹宮の代表作であるとともに異色作ということも言えるのかもしれない。

 小学館の「プチコミックス」はこの竹宮恵子作品集のほか、萩尾望都、上原きみこの作品集を刊行。それぞれ第一期として一端完結したあと、萩尾のみが第二期を刊行してシリーズは終了している。

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2015年5月 4日 (月)

本棚の旅■集まる日,/竹宮恵子

書 名/集まる日,
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/480円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集8
初版発行日/昭和53年10月15日
収録作品/ガラスの迷路、扉はひらく いくたびも、集まる日,、砂時計、夢見るマーズポート

初出:ガラスの迷路/小学館「週刊少女コミック」昭和46年41号、扉はひらく いくたびも/小学館「別冊少女コミック」昭和50年7月号、集まる日,小学館「別冊少女コミック」昭和53年1月号/、砂時計/小学館「フラワーコミック」昭和53年6月30日号、夢見るマーズポート/学研「SFファンタジア地上編」昭和52年

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 作品集第8巻にはSF・ファンタジー系の作品が収録された。「ガラスシリーズ」の『ガラスの迷路』『扉はひらく いくたびも』は再録。またそのほかの3作品は本書が初収録であると共に、この時点での最新作ともいえる。
『集まる日,』は超能力をテーマにしたSF作品で、代表作『地球へ…』に類似する。『地球へ…』がヴァン・ヴォクトのSF小説『スラン』を下敷きにしているとするなら、本作は石森章太郎の『ミュータントサブ』をベースにしているといえるだろう。
 個人的にこの作品が発表された時期、『地球へ…』、単行本『ジルベスターの星から』そして本作と竹宮のSF作品ばかりを立て続けに読んでいた印象があり、竹宮=SF作品というイメージが強かった。
『砂時計』は3作からなるオムニバス作品だが、3話目の『オルフェの遺言』は『集まる日,』の続編となっている。超能力に加え亜空間やコンピュータによって管理される無人の都市などSF的なモチーフをふんだんに詰め込んだ作品となっている。
 また1話目の『西暦2763年の童話』『夜は沈黙のとき』はそれぞれ独立した短編だが、竹宮らしいSF作品として仕上がっており、3作すべてが佳作といっていい。
『夢見るマーズポート』は、SFをジャンル別にした特集ムックの一冊に掲載されたもので「SFマンガ家」竹宮恵子を印象づける作品のひとつだったと思う。また後に描かれる『私を月まで連れてって』の原型作品でもある。コメディ調の作品で、スリルや冒険の日々が待っていると憧れの宇宙パイロットになってみたものの、その退屈な毎日に幻滅している主人公の物語となっているのだが、作中登場する少女に人気が集中したのは、作者にとっても意外だったかもしれない。
『ガラスの迷路』『扉はひらく いくたびも』に関しては「フラワーコミックス」版『ガラスの迷路』紹介のおりコメントしているので省略しました。

2015年5月 3日 (日)

本棚の旅■ここのつの友情・作品集版/竹宮恵子

書 名/ここのつの友情(竹宮恵子作品集7)
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/450円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集7
初版発行日/昭和54年1月15日
収録作品/ここのつの友情、弟、かぎっ子集団、ゆびきり、もうっ、きらい!、ジョージの日曜日

初出:ここのつの友情/小学館「週刊少女コミック」昭和46年30号、弟/虫プロ商事「COM」昭和42年12月号、かぎっ子集団/虫プロ商事「COM」昭和43年7月号、ゆびきり/講談社「なかよし」昭和44年1月増刊号、もうっ、きらい!/小学館「週刊少女コミック」昭和47年17号、ジョージの日曜日/小学館「週刊少女コミック」昭和49年27号

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 この竹宮恵子作品集は『空が好き!』『ファラオの墓』といった代表作のほかは本シリーズが単行本初収録という作品が多いのだが、第7巻では『ここのつの友情』その続編である『ジョージの日曜日』そして初期の短編『ゆびきり』が再録となっている。とはいえデビュー作『弟』、初期作品『かぎっ子集団』を初収録していて見逃せない巻になっていることも事実だ。
『ここのつの友情』が巻頭に収録されているほかは、発表順の収録となっている(『ここのつの友情』は、収録されているのは後年描き直されたものだが、もともとはデビュー前の習作と考えればすべてが発表順あるいは制作順とも言える)。「フラワーコミックス」版の『ここのつの友情』では続けて『ジョージの日曜日』が収録されていたが、本巻ではその他の作品をサンドイッチにする形での収録である。
『弟』は8ページの短編だが、内容そのものは16ページの作品に匹敵するもの。というのはかなり細かいコマ割りを用いて短いページ数でストーリーを展開しているからだ。少ないページで8コマ、最大で21コマのページがあるが、すんなりと自然に読ませるところは、後に伊藤愛子も衝撃を受けたと言っている。登場人物は兄と弟、そして兄の恋人の3人だけのシンプルなもので、両親を亡くした兄弟は、弟が血のつながっていない養子であり、そのことでグレてもいる。ラストには子供の頃のように仲のいい兄弟に戻るといった展開ではあるが、肩を組む兄弟の姿は、後に描かれる同性愛物を連想してしまったりするのだが、この作品を描いた時点で竹宮もそれは考えていなかっただろう。
『かぎっ子集団』は当時の社会状況がわからないとピンとこないところもあるかもしれない。「かぎっ子」という名称自体が死語だろう。団地や空き地といった舞台設定にも時代を感じる。「かぎっ子集団」というグループや周囲の大人たちのグループへの偏見など、その後の作品でもたびたび描かれるモチーフが扱われているところは注目していいだろう。
『もうっ、きらい!』はボーイッシュな女の子が主人公のラブコメディで、学校でも大人気の可愛い女子が、実は主人公が好きで…という百合もの。外見的にも性格的にも男っぽい主人公が、告白されて「まるで童話の王子さま」と自分を感じるシーンでは、ピーターパンや星の王子さまと共にウィーン少年合唱団までが例えにあらわれる。主人公ミツルには『空が好き!』のタグ・パリジャンの匂いが漂っている気がする。ちょうど『空が好き!』の第一部と第二部の間に描かれたためかもしれない。
『ここのつの友情』『ジョージの日曜日』に関しては「フラワーコミックス」版の紹介で、また『ゆびきり』は「花とゆめコミックス」の『夏への扉』の紹介でそれぞれコメントしているので今回は省略いたします。

2015年5月 2日 (土)

本棚の旅■空が好き!/竹宮恵子

書 名/空が好き!(全2巻)
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/第1巻・450円、第2巻・480円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集5、6
初版発行日/第1巻・昭和53年10月15日、第2巻・53年12月15日
収録作品/第1巻・空が好き!、まるで春のように!、第2巻・空が好き!、NOEL! ノエル

初出:空が好き!(第1部)/小学館「週刊少女コミック」昭和46年12~21号、まるで春のように!/小学館「週刊少女コミック」昭和47年5号、空が好き!(第2部)/小学館「週刊少女コミック」昭和47年32~41号、NOEL! ノエル/小学館「別冊少女コミック」昭和50年11~12月号

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 作品集5、6巻には代表作のひとつ『空が好き!』シリーズが収録された。第1部、第2部の本編に加え『まるで春のように!』『NOEL! ノエル』の中・短編2作も含まれる。
 14歳にして詐欺師という主人公タグ・パリジャンが活躍する『空が好き!』。両親を亡くし街から街を漂うように生きるタグは、大人びたところもあり、詐欺師として生きるだけあって裏社会にも通じているようでもあるのだけれど、その実、孤独に耐えていたり、愛情に飢えていたりする。そんなタグを竹宮は存分に描ききっていて、これが読者にも受け入れられて代表作になるほどの人気を得る。クールでドライな自分を演出しながらウェットな本性に自ら戸惑ったりするのは竹宮作品に登場する主人公たちに共通の性格ともいえるだろう。
 女の子にモテモテで、そのあしらい方も手慣れているタグ。通常の少女漫画であれば、それまで出合わなかったタイプの女の子に惹かれて…といった展開になるところだろうが、タグはどうも女性には本気になれないタイプらしい。というより、明確には描かれないが少年同士の恋愛を匂わせているのは確かだ。これは第一部より第二部、そして『NOEL!』と話が進むほど明確になっていく。
 第一部、第二部、『NOEL!』は登場人物も共通した連続した物語だが『まるで春のように!』はタグが訪れたとある街での物語で、独立した短編。
 自由に生きるタグという少年は竹宮のひとつの理想なのだろうし、読者にとっても憧れる対象だろう。もちろんその自由の代償としてタグはさまざまな努力をしたり、リスクも負っているのだが、それすらも楽しんでいるように見える。
 作者が楽しんで描いていただろうことは容易に想像できるが、だからこそ読者もタグ・パリジャンというキャラクターの魅力に惹かれたのだろう。
 竹宮恵子のファンならずとも、少女漫画の代表作のひとつとして一読の価値のある作品ではないかと思う。

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2015年5月 1日 (金)

本棚の旅■魔女はホットなお年頃/竹宮恵子

書 名/魔女はホットなお年頃(全2巻)
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/第1巻・450円、第2巻・480円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集3、4
初版発行日/第1巻・昭和54年4月15日、第2巻・昭和54年5月15日
収録作品/第1巻・魔女はホットなお年頃、第2巻・魔女はホットなお年頃、GO! STOP!物語

初出:魔女はホットなお年頃/小学館「週刊少女コミック」昭和45年24号~昭和46年10号、GO! STOP!物語/小学館「週刊少女コミック」昭和45年15~20号

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 昭和45年は竹宮恵子デビュー3年目にあたり(『弟』をデビュー作とした場合)、「少女コミック」に作品を発表し始めた年でもある。しかも3号から『森の子トール』の連載という登場の仕方で、続いて『GO! STOP!物語』そして本作『魔女はホットなお年頃』と「少コミ」常連作家となっていく。ちなみに本作終了後には代表作のひとつ『空が好き!』の連載が始まっている。
 本作はテレビドラマのコミカライズなのだが、それについては本書では全く触れていない。基本設定以外はオリジナルだったとしても原案としてテレビドラマがある以上その表記があって然るべきだと思うのだが…。
 主人公は「魔女」とはいえ、キツネが人間に化けていて、母の形見のペンダントで魔法を使う。実のところテレビドラマの放送枠が「魔女シリーズ」として海外ドラマの『かわいい魔女ジニー』や『奥様は魔女』に続いて国内制作の『魔女はホットなお年頃』を放送したという経緯があり、魔女という設定を無理に使っている節もある。また本作のラストでは『奥様は魔女』のオープニングナレーションをパロった形のナレーションが入っていて、これも放送枠の知識があるのとないのとでは印象が違うだろう。
 竹宮には本作以前に発表された作品にはシリアスなものもいくつか見られるが、コメディ調の作品が目立つ。本作もドタバタありのにぎやかな雰囲気で、コミカライズとはいえ自由に描かれていたという印象だ。
 序盤では人間世界で主人公コン子が巻き起こすドタバタ喜劇という印象だが、中盤からは居候している鈴木家の長男一郎とのラブコメという展開に。イギリスのキツネが化けているイケメンが登場したり、ミュージカル風の演出があったりと後半では竹宮カラーが前面に出てくる感じだ。
『GO! STOP!物語』もラブコメジャンルの作品だが、設定が複雑な上にタイトルどおり進んだり止まったりする展開なので、読んでいてもヤキモキする(笑)。もっともそれこそがラブコメの王道でもあるので、きわめて正統派の作品といえるのかもしれない。
 実のところ竹宮の作品は基本的に正統派で分かりやすいものが多く、主人公や主要な登場人物のキャラクターもはっきりしていて読みやすいのが特徴といえる。本作のような無国籍なラブコメ作品ではそういう竹宮の作家性がより分かりやすいともいえるだろう。

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2015年4月30日 (木)

本棚の旅■森の子トール/竹宮恵子

書 名/森の子トール
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/450円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集2
初版発行日/昭和54年3月15日
収録作品/森の子トール、スーパーお嬢さん(原作・辻 真先)

初出:森の子トール/小学館「週刊少女コミック」昭和45年3~7号、スーパーお嬢さん/虫プロ商事「ファニー」昭和44年5~10月号

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 作品集第2巻には、中編『森の子トール』と辻 真先原作の『スーパーお嬢さん』の2作品が収録されていた。
『森の子トール』。真面目で勉強好き、父親のお気に入りの少年ルイは、本当は森の中で自由に駆け回るのが大好きで、トールという別人として父親の目を盗んで仲間たちと遊んでいた。そこにミルという少女が現れて…、というストーリー。設定や展開的にはいたって少女漫画的な作品。強いて言えばルイとトールという正反対の性格を持ったひとりの少年という存在が竹宮らしいところか。これはのちのち描かれ続ける陰のある少年たちに共通するキャラクターの原点なのかもしれない。
『スーパーお嬢さん』はガリアという星から地球に星流しにされた不良少女、胡桃ナナが活躍するSFコメディ。辻 真先の原作付き、さらには「ファニー」という多少読者対象年齢が高めの雑誌に発表されたということもあり、ナナのビジュアルは竹宮作品としては異色なセクシー系美女。石森章太郎の『ワイルドキャット』を彷彿させる。
 この作品集が刊行されたころ、竹宮作品の単行本はそこそこの冊数が出ていたわけだが、それでも未単行本化作品は多く、作品集で初めて単行本に収録されたものが多かった。本書に収録の2作品もこれが初収録であり、初期の竹宮中・長編作品に触れるいい機会だった。

2015年4月29日 (水)

本棚の旅■アストロツイン/竹宮恵子

書 名/アストロツイン
著者名/竹宮恵子
出版元/小学館
判 型/B6判
定 価/450円
シリーズ名/プチコミックス・竹宮恵子作品集1
初版発行日/昭和54年2月15日
収録作品/ルナの太陽、ラブバック、白い水車小屋、アストロツイン

初出:ルナの太陽/講談社「なかよし」昭和44年3月号、ラブバック/講談社「なかよし」昭和45年1月号、白い水車小屋/集英社「小説ジュニア」昭和45年2月号、アストロツイン/講談社「なかよし」昭和45年4~6月号

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 本書は小学館から刊行された竹宮恵子の作品集、第1巻である。先行して「萩尾望都作品集」、「上原きみこ名作集」が刊行されていたが、この単行本のシリーズ名は「プチコミックス」だった。
 竹宮の作品集としては「サンコミックス」の単行本でも「傑作シリーズ」と冠されたものがあったので、2種類目という見方も出来る。収録作品も一部重なってもいて、本書収録の作品では『ルナの太陽』がそれにあたる。
 収録された4作はいずれも初期作品になるが、SFあるいはSF風味の作品を中心に編まれている。『ルナの太陽』は竹宮の最初のSF作品で、ロボットが主人公のハートフルな内容。古典的なSF作品の香りのする佳作と言っていいだろう。
『ラブバック』は意思を持った車が登場する作品で、SFラブコメディと言ってもいいと思う。レースシーンが登場するなど、「なかよし」に掲載されたにしては少年漫画的な雰囲気の濃いものになっている。
『アストロツイン』は扉ページに「フレッシュSFコメディ」と冠されているように、ドタバタ調のSFラブコメディ。発明家の父のエアカーに乗っていたら、未来から1970年にタイプスリップしてしまったルウという女の子と、サブという主人公の少年が出会うのだが、ひょんなことからお互いの頭を触れ合うと考えていることがわかることが判明。ふたりは双子なのでは? という疑惑に発展するが、ルウを追って来たトニーという少年に、それはお互いの脳の電波が同じ「アストロツイン」だと知らされる。テレパシーやタイムトラベルなどを特に解説もなく使用しているのは、発表された時期の「なかよし」の読者にどう受け取られたのか気になるところではある。もっともドタバタ調のコメディというベースがあるのでSF用語などは逆に流していく方向にあったのかもしれない。
 本作中、初出時には広告掲載スペースだった余白に「あとがき」的な書き込みがされているのだが、それによると少年漫画ばかりを読んできた竹宮にとって、少女漫画をどう描いたらいいか、悩んでいたということだ。結果、中性的な「児童漫画」を目指したということで、『アストロツイン』はそんな試行錯誤の時期に描かれたものだという。確かに本書に収録された作品は「少女漫画」よりも「少年漫画」の匂いのするコマ割りや構成であるし、そのまま少年誌に掲載されていても違和感のないものだったようにも思える。
 いずれにしても竹宮作品の原点に触れる感覚を味わえる、そんな作品が収録された一冊になっている。

«本棚の旅■ノルディスカ奏鳴曲(ソナタ)/竹宮恵子

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