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2011年2月21日 (月)

涼風家シネマクラブ■フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)

監督/本田猪四郎、特技監督/円谷英二
キャスト/ニック・アダムス、水野久美、高島忠夫、ほか。
1965年/94分/日本

 本作はもともと『キングコング対ゴジラ』に続く、対ゴジラ作品として企画がスタートしたもので、紆余曲折ののち本作が完成した。またエンディングを始め複数のシーンで追加や削除といった編集されたヴァージョンがあり、いわゆる国内版と海外版というヴァージョン違いが顕著な作品でもある。
 前半では、冒頭のシーンを含めフランケンシュタインが登場する映画にふさわしい怪奇色が濃厚な演出となっていて、すでに子ども向けになっていた「ゴジラシリーズ」とは一線を画する仕上がりと言っていいだろう。
 フランケンシュタインは不死身の怪物であり、タンパク質の供給さえあれば体の一部であっても生き続けることができる。また本作では最初心臓だけだったものが人間の姿にまで成長するのだが、この心臓はフランケンシュタイン博士によって作られた怪物のものであり、つまるところユニバーサル映画に登場したフランケンシュタインの怪物の心臓から復活したものという設定になるわけである。

 異常な成長力があり通常の人間よりも巨大になったフランケンシュタインは研究所を逃げ出し、家畜を盗んでは食べながら山間地を選んで北上していく。故郷であるフランクフルトに近い環境を求めるように。
 また一方で人を襲う怪物が現れ、人々はそれをフランケンシュタインの仕業と思いフランケンシュタインに恐怖と憎しみを抱いていく。
 ただ体が大きく力が強く、その本能から家畜を襲い食べてしまうフランケンシュタインに同情と愛情をもって接するのは育ての親でもある水野とニックであり、ふたりと行動を共にしながらフランケンシュタインを研究材料としかみない高島との立場の違いも、オトナの鑑賞に堪えうる演出となっている。
 ところで公開当初、ラストシーンはバラゴンを倒したフランケンシュタインも地殻変動のため地面に飲み込まれてしまうエンディングだったが、もともとバラゴンを倒した後に登場する大ダコと格闘し、海中に没するエンディングが用意され、撮影もされていた。のちにテレビ放映された際、この大ダコのシーンを含めたものが使われたため、これを海外版と呼ぶのが一般的になったのだが、実は海外で公開された際も大ダコの登場しないヴァージョンだったようだ。
 実際、山中でバラゴンを倒した後、山の中に大ダコが現れるというのはどうにも納得のいかない設定ではある。そのまま海に落ちるので海が近いのは確かなのだが、そのシーンになるまで海が近いことには全く触れていないし、いくら海が近いとはいえタコが陸に上がってフランケンシュタインに襲いかかるのもどうかと思う。そういう意味では大ダコが登場しないヴァージョンのほうが素直に観られるのではないだろうか。
 フランケンシュタインのメイクはユニバーサル版を基本にしながらアレンジを加えた好感の持てるもので、バラゴンの造形もいい。今回改めて鑑賞してみて金子監督の『GMK』に登場したバラゴンが本作のオリジナルを忠実に再現していたことに気がついた。

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