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2010年5月10日 (月)

涼風家シネマクラブ■十二人の怒れる男

監督/シドニー・ルメット
キャスト/ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、ジャック・ウォーデン、ジョセフ・スィーニー、ほか。
1957年/アメリカ/96分

 アメリカ映画の名作のひとつとして知られる1本。今回調べてみて、もともとはテレビドラマであり、その映画化作品だということがわかった(ちなみにテレビドラマは54年の放送でビデオ等の記録が容易ではなく、全編を記録したフィルムはないとされていたが、2003年に発見されたという)。
 本作は放送時間の関係から、原作者であり脚本を担当したレジナルド・ローズが、テレビ版でカットされたセリフなどを含めて、再びシナリオを担当している。
 内容は、父親殺しの罪で裁判にかけられた少年の判決について話し合う陪審員12人による、陪審員室でのやり取りである。
 裁判が終わり、陪審員たちが評決のため陪審員室に向かうところから映画は始まり、裁判中に提示された証拠や証言から有罪が確定していると陪審員たちが確信しているところ、ひとりの陪審員が、有罪の確証をもてないという理由で無罪を主張し、討論が始まる。そしてしだいに間違いがないと思っていた証拠や証言が、実はあやふやなものになっていき、有罪を主張していた陪審員たちもひとり、またひとりと無罪を主張していくのである。
 ここで注目しておきたいのはカメラは陪審員室の外にはでないということ、12人の陪審員のほかには出演者らしい出演者が登場しないということである。確実に思えた証拠や証言が覆されていく過程も、すべて陪審員室で陪審員たちが話し合う中でのことであり、事件の現場をカメラが映し出すようなシーンは全くない。
 また、意見がぶつかり合う中で陪審員たちの性格や生活が言葉や行動から浮かび上がってくるところも、見事なシナリオであり演出であり、演技である。
 
 この作品のタイトルはずいぶん前から聞いたことがあったし、見てみたい映画のひとつでもあったが、その機会はなかなか訪れず、初めてみたのは平日昼間にテレビで放送されたものだったと思う。本作自体が96分という長さなのでテレビ放送版でもカットはされていなかったのではないだろうか。そして、この映画のすごさに感動したのを覚えている。
 実をいうと今回鑑賞したのも、地上波で深夜に放送された字幕バージョンである。ちょっと重苦しい印象もあって、途中で観るのを中断してしまうかもしれないと思いながら鑑賞し始めたのだが…映画が始まるとグイグイ引き込まれていき、一気に見終わってしまった。
 映画作りや物語作りのひとつのお手本ともいえる作品であり、その内容から考えさせられることも多い、実にいろいろな意味で1度は鑑賞してほしい映画といえる。

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» 『十二人の怒れる男』|“言葉”は我々に翼を与えるが、盲目にもする [23:30の雑記帳]
まずはトリビアです(既知でしたらご容赦を)。 映画の一番最後のシーンは、 陪審室を天井から映したカットで終わる。 このとき、誰も座っていない席がひとつある。 つまり11人しか映っていないのだ。 これは「彼のような人間はこの国に必要ない」 という制作....... [続きを読む]

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