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2009年11月 3日 (火)

本棚の旅■日影丈吉全集(国書刊行会)

書 名/日影丈吉全集・全8巻+別巻
著者名/日影丈吉
出版元/国書刊行会
判 型/A5判・凾入り

第1巻/第1回配本・長編小説1、定価:9500円、月報
     収録作品:見なれぬ顔、真赤な小犬、内部の真実、非常階段、応家の人々
第2巻/第3回配本・長編小説2、定価:9500円、月報
     収録作品:女の家、移行死体、現代忍者考、孤独の罠
第3巻/第5回配本・長編小説3、定価:9500円、月報
     収録作品:夜は楽しむもの、多角形、殺人者国会へ行く、一丁倫敦殺人事件
第4巻/第6回配本・長編小説4、短編小説1、定価:9500円、月報
     収録作品:咬まれた手、地獄時計、夕潮、黄鸚楼、ハイカラ右京探偵譚
第5巻/第4回配本・短編小説2、定価:9500円、月報
     収録作品:夜の処刑者、善の決算、恐怖博物誌、イヌの記録
第6巻/第2回配本・短編小説3、定価:9500円、月報
     収録作品:暗黒回帰、幻想器械、市民薄暮、華麗島志奇
第7巻/第7回配本・短編小説4、単行本未収録小説1、定価:9500円、月報
     収録作品:夢の播種、泥汽車、鳩、単行本未収録小説
第8巻/第8回配本・単行本未収録小説2、定価:12000円、月報
     収録作品:単行本未収録小説
別 巻/第9回配本・エッセイ、その他、定価:13000円、月報
     収録作品:ふらんす料理への招待、ミステリー食事学、名探偵WHO'S WHO、荘子の知恵、単行本未収録エッセイ、少年小説、推理クイズ、初期作品、未発表原稿
    
 ボクが日影丈吉という作家を知ったのは、牧神社から全4巻で刊行された未刊行作品集のうち、『幻想器械』という1冊だった。とはいっても新刊でこれを見たのではなく、神保町でゾッキ本として流れていたのを手に入れたのだった。たぶん1980年頃だ。当時は渋澤龍彦なども読み始めたころで、幻想文学の匂いのするその本を、ほかの未刊行作品集は気に留めず買った気がする。すぐに日影の作品は気に入ったのだが、買いあぐねているうちにほかの未刊行作品集はゾッキ本から姿を消してしまい、まだ新刊で手に入った現代教養文庫の作品集全3巻を手に入れた。そのあたりから日影自身、作家として復活してきた感もある。しばらくするとこれもゾッキ本で芸術書林版の『恐怖博物誌』『幻想博物誌』が出回り、入手する。それを追うように徳間文庫から過去の長編が相次いで刊行され、講談社文庫でも幻想博物誌などがでた。さらには新作の長編、短編集が刊行されたのだから、ボクが日影を知った時期というのはタイミングとして実によかったといえるのかもしれない。
 ところでボク個人の中では、日影は『猫の泉』という作品のイメージから幻想文学の作家であった。戦前から戦後にかけての探偵小説、推理小説作家がそうであるように、推理もの、探偵ものも書くが、怪奇・幻想ものも書くという感じで、本来は幻想文学、という印象だったのだ。
 実際はその逆で、日影はその作家活動の最初から最後まで、推理作品にこだわっていたといえる。料理研究家でありフランス文学翻訳家(文学というとちょっと語弊があるかもしれないが)でもあったが、それもミステリーというジャンルの範囲で執筆していた。幻想小説のアンソロジーにも採録される『猫の泉』も広い意味での推理小説といえなくもない構成であることに気づけば(暗号ミステリーともいえる)、日影の作家としての一貫性も見えてくるだろう。
 とはいえ、ミステリー作家としての日影丈吉には、個人的にはあまり興味がない。というか、推理小説の基本となるトリックや推理という面ではなく、文章が描き出す雰囲気のようなものが日影の持ち味だと思うからだ。そういった意味ではやはり『猫の泉』のように純粋な推理小説ではない作品に日影の魅力を感じるのである。
 本全集はある意味玄人向けのものである。この全集で日影に触れてほしい、というものではない。むしろほかの形で日影作品に触れ、その魅力に気がついた人に手に取ってもらいたいという気がする。というのも各巻末にある解題・解説によって著書や著者についての理解がより深まるからである。また、過去に刊行された「ハイカラ右京」作品をお読みになった方は、ぜひ本全集版で読み返してみてほしい。初出誌で付けられていたルビを復活させているのだが、ルビのない文庫版などとはまったく違う印象を受けることに驚かれるだろう。
 

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