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2009年6月17日 (水)

涼風家シネマクラブ■大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン

監督/田中重雄、特撮監督/湯浅憲明、特殊撮影/藤井和文
キャスト/本郷功次郎、江波杏子、早川雄三、藤岡琢也、北原義郎、ほか。
1966年/日本/100分

 本作からシリーズはカラー作品となる。
「ゴジラ」同様第2作目は大阪が舞台。バルゴンの冷凍光線(?)によって大坂城が凍結シーンもある。
 シリーズ中もっとも異色とも言える本作は、子供が一切登場しないことでも他のシリーズ作品とは一線を画す。内容も本郷功次郎、江波杏子らを中心にした人間ドラマに重点がおかれ、ガメラ自体もその登場シーンはけっこう少ない。バルゴンという怪獣を主人公にした単独の作品としても成立しているような印象だ。

 冒頭では前作で宇宙に打ち上げられたガメラが、隕石と衝突することによってカプセルが破壊され、地球に戻ってくることが描かれ、炎や熱のエネルギーを好み発電所や火山を求めて世界中に姿を見せていることなどが説明される。
 そして本作のメインストーリーである、バルゴンのエピソードに入っていくわけだが…。
 ニューギニアでオパールと思われ日本に持ち込まれたものが、実はパルゴンの卵であり、赤外線の影響で特異体質となって急激に成長し、神戸、大阪の街を破壊していく。
 作品自体が大人向けのドラマ重視な内容であるとともに、怪獣同士の対決も動物的な雰囲気を感じさせる演出がなされている。というのは、すでに第1作でも二足歩行していたガメラが、基本的には四足歩行でバルゴンに対しているのである。またその攻撃もお家芸である火焔放射も使うが、噛み付きを多用していて、野生動物の対決を思わせる。「ゴジラ」でも第2作でアンギラスと対決した際は噛み付きを主とした攻撃を見せていて、ライバル怪獣が同じ2作目で同様の演出をしているのは面白い。
 また、ガメラはバルゴンとの一回目の対決で冷凍光線により氷づけにされ、クライマックスまで出番がない。これはその後のシリーズでもずっと踏襲されるパターンで、ガメラはかならず1度負け、復讐戦で勝利する。
 個人的には本作のガメラの造形がもっとも好きな昭和ガメラだし、バルゴンも造型的に秀逸だと思う。が一般的には地味な印象があるらしく、人気が高いとは言えない。これはひとつにはテレビ放送が、本作に関して少なかったからではないかという気もする。ギャオス、バイラスの2作は何度もテレビ放送されていたと思うが、本作は内容的に重く、怪獣対決シーンを中心にテレビ用に編集してもストーリーがつかみづらいということもあったのじゃないかと思う。
 いずれにしろ時代は、怪獣映画=子ども向け、へと急激に進んでしまった。子供にせがまれて映画館に足を運んだものの、シートで居眠りしてしまう大人たちばかりという状況だ。本作は大人の鑑賞にも耐えうる怪獣映画の最後の作品だったかもしれない。
 ところで、今回本作を観ていて気がついたことがふたつある。
 ひとつは本郷らがニューギニアのある部落で古い遺跡の碑文を見るシーン。これは「平成ガメラシリーズ」第1作の碑文に通じるように思う。
 ふたつめは、本作のラストシーンである。たったひとりの兄を亡くし天涯孤独になった本郷に対して江波がかける言葉「ひとりじゃないわ」というセリフである。これは「平成ガメラシリーズ」第3作のラストシーンでの中山のセリフと同じである。
 こういう発見が面白かったりうれしかったりするものである。
 

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