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2006年4月24日 (月)

涼風家シネマクラブ■アダン

Adan01 アダン
監督/五十嵐 匠 脚本/松山善三
キャスト/榎木孝明、古手川祐子、木村文乃、村田雄浩、加藤 剛、ほか
2005年/日本/139分

 幼少のころから天才といわれながら、画壇の重鎮と折り合いが悪く、その作品が日の目を見ることもなく、50歳で奄美大島に移住し、69歳で亡くなるまで、絵を描くことに執念を燃やした孤高の画家・田中一村。この映画は彼の生涯を描いたものである。

 タイトルでもある「アダン」とは、奄美大島に自生する、パイナップルに似た実をつける植物で、一村が愛したモチーフのひとつ。そして風景や植物をスケッチする一村の周囲に現れる、不思議な少女に、一村がつけた名でもある。
 ただ絵を描くだけの一村を支えた、姉の献身的な姿、陰ながら一村を応援する美術学校当時の友人・荒木。一村姉弟を見守る医師・住友など、さまざまな人々が、一村の才能を認め、彼の創作を支え続けていく。
 例え画壇が認めなくとも、自分が納得のできる絵を描くのだ、と奄美大島に移住して、自然を相手に筆を取る一村。その情熱は榎本の熱演もあって、胸に迫るものがあるだろう。
 上映時間2時間19分という長い映画だが、退屈させる暇もなく、一気に観ることができる演出も素晴らしい。監督の五十嵐匠は、以前にも実在の人物を描いた作品を多く手がけており、『アダン』でもその手腕が発揮されている。
「絵を売ることは、魂を売ることだ」と自作をいっさい、人に見せなかった一村の作品が、人々の前に公開されたのは、その死後。奄美大島には「記念美術館」も建てられている。
 その孤高さは理解できるが、けっきょくは変人であり、オタクな人物には変わりない。世間に背を向け、引きこもる人物を、偉大な芸術家と持ち上げるだけの評価には疑問も感じる。また一村の描いた絵が、あまり映画の中で映されなかったことも物足りないところではある。とくに、一村が好んだモチーフでもある、「アダン」を描いたものを、最後まで見ることができなかったのは残念というしかない。
 しかし、田中一村という孤高の画家が確かに実在したのだという、激しい思いは伝わってくる映画だろう。

「微熱」06年6月号掲載

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