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2006年3月 6日 (月)

涼風家シネマクラブ■リバティーン

1275

リバティーン
The Libertine

監督/ローレンス・ダンモア
キャスト/ジョニー・デップ、サマンサ・モートン、ジョン・マルコビッチ、ロザムンド・パイク、ほか
2005年/イギリス/110分

 17世紀のイギリスの放蕩貴族、第二代ロチェスター伯爵を、人気俳優ジョニー・デップが迫真の演技で魅せる。

 映画の冒頭、デップ演じる伯爵はこう語りかける。
「諸君はわたしを好きになるまい」
 そう、腐敗と退廃に身を置きながら、その優れた才能で、国王にも愛された放蕩貴族であればこその、自嘲の言葉だ。
 国王や政権を風刺、ときには誹謗するような詩や劇を書き、幽閉されることもたびたび。しかしその都度国王は、すぐに伯爵を解放する。そこには、伯爵の父によって、自分の命を救われたという過去の負い目もあったと思われるが、それ以上に、愛憎が入り交じった、国王自らの、伯爵に対する思いもあっただろう。
 しかし、伯爵はそんな境遇を利用して、放蕩の限りを尽くしていく。
 そんなとき、芝居小屋で見かけたひとりの女優に心を奪われる伯爵。その女優は、観客からブーイングされるほどに演技がままならないのだが、伯爵は磨けば光るものがあると見抜き、彼女を徹底的に指導する。そして見事に一流女優になっていくのだ。これも実在した女優である。
 妻を愛しているのだが、いっしょにいると裏腹な態度をとってしまう伯爵。娼婦の家や酒場、芝居小屋に入り浸る伯爵に愛想を尽かし、田舎に帰ってしまう妻。しかし、そこで伯爵の帰りをじっと待っている。
 やがて国王の依頼を受けて、フランス大使の前で自作の演劇を披露する伯爵は、その内容から国王の怒りを買って、失脚する。と同時に梅毒に冒されていくのだ…。
 絶望の中でも、彼を支える愛人の娼婦と最後まで仕える妻。
 神を信じず、いや冒涜までしていた伯爵が死を前にして、信仰心を持ったのかは定かではないが、その最期は穏やかなものだった。
 タイトルである「リバティーン」は「放蕩者」という意味。
 またデップはシナリオの最初の3行で、出演を決断したとも言う。貴族としての優雅さと、放蕩者の無頼さを融合した演技が見どころだ。

「微熱superデラックス」06年4月号掲載。

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