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2005年5月18日 (水)

猫目ユウの、本大好き!

第六回〔秘蔵画集・処女狩り〕

 前回、SMイラストの秋吉 巒を取り上げたが、じつはもう一人ボクの大好きなイラストレーターがいる。
 名前は椋 陽児。劇画家でもあるが、その作品はあくまでもSMモノであり、SM劇画では笠間しろうと双璧を成す。
 劇画の単行本もわりと刊行されていて、中でもサン出版の“サタン・コミックス”シリーズは全八巻の個人SM劇画集である。この劇画集の巻頭にも二点づつ鉛筆画のSMイラストが掲載されているが、椋の本領は、この鉛筆画のSMイラストであると言える。
 これらのイラストがSM雑誌を飾るようになったのは、ボクの知るところ七〇年代後半である。もちろんそれ以前も彼はイラストを描いているが、それらの多くはペン画であったハズである。
 SM雑誌を何冊かご覧になった方がいれば、きっと椋 陽児のイラストは目にしているはずである。それほどに彼を起用する雑誌は多い。しかし前述の劇画とは違い、イラストましてやSMイラストとなるとまとめられるのは奇跡に近い。むろん小説の挿絵としてのイラストばかりではまとめることも難しいとは思うが、グラビア写真と同様、イラストを積極的に取り上げようという姿勢が編集側にもあまり見られないのも事実ではないだろうか。
 そんな状況のなかで、画集として作品がまとめられた数少ない一人が、この椋 陽児というわけである。
 彼の画集は昭和五六年四月五日の奥付でサン出版より「SMコレクター」の増刊として発行された。タイトルは『秘蔵画集・処女狩り』である。この本をボクが入手したのがいつ頃だったか、ちょっと失念してしまったが、新刊ではなくゾッキであったから、同じ五六年としても数カ月後のことだったはずだ。もちろん椋 陽児の存在はすでに知っていて、秋吉とともに好きな画家であったから、書店でこれを見つけたときは、すぐさまレジへ走った。
 「SMコレクター」というのは他のSM雑誌の多くがそうであるようにA5判であるが、『処女狩り』はB5判とサイズが大きいのも、ファンには嬉しい。また、使用されている紙もザラ紙ではなくアート紙で、モノクロのイラストもカラー製版されているようである。四色カラーが四ページ、二色カラーが八ページ、モノクロが一二六ページ、加えてザラ紙にペン画作品「さしえ傑作選」が一六ページと充実した内容であるが、掲載作品もかなりの数に登る。
 椋 陽児のイラストには同じSMモノとしても、例えば異物挿入のシーンとか、排泄といった描写は無いに等しく、おおむね“縛り”であり、その対象は少女が断然多い。ボクが注目するのはその、縛られた少女たちの臨場感というか、デッサン力の素晴らしさである。また、SMの縛りが日本的なものであると言うことを良く知っているのか、椋のイラストの背景は日本家屋、畳の部屋などが多いのも特徴と言えるが、作品全体を通して昭和初期から戦中のイメージを連想させる部分もある。
 幸いにしてこの様な本が存在するので、椋 陽児ファンとしては嬉しいかぎりなのだが、実を言うと小説作品の挿絵もまとめてもらいたいものが少なくない。例えば「SMキング」に連載された「O嬢の物語」の挿絵や「SMフロンティア」の「由起子無残絵」の挿絵などは名作に入ると思うのであるが、いかがだろう。そういえば「別冊SMファン」にはイラストに文章を付けた四、五ページの連載もあったはずだ。誰か、こういった作品を発掘してくれないものか。
〔おわり〕

初出/「TOWER」森海社刊・92年

追記・残念なことに椋 陽児氏もすでに故人である。イラスト作品、劇画作品ともに没後もまとめられており、上記記事執筆当時よりはその作品に触れる機会が多いのは嬉しいことである。

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