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2005年5月18日 (水)

猫目ユウの、本大好き!

第一回〔絶版文庫探索記〕

  近頃どうも文庫本が気になり出した。正確には近頃ではなくて、ずっと以前からなのだが、それほどでもない時、どうしても気になる時といった波があって、丁度今が気になる時期と言えるかもしれない。しかし今回はただ単純に興味の波に当たっているのとは違って、かなり問題意識を持っているのも確かではある。
  キッカケは講談社文庫である。旧装丁のものを集めようと思って、目についたものを古書店で一冊二冊と買っているうちに、巻末の刊行リストに、現在絶版もしくは新刊書店店頭に見掛けられない作品の多さに驚いた。
  文庫本がブームになってから久しい。毎月一社が刊行する文庫本の点数も平均すれば五点くらいにはなるだろうか、その出版社の数、文庫本シリーズの種類自体が十指に余るのだから書店としても既刊分全点を置きたくても置けないのが実情だろう。したがって、とりわけ売れるもの、人気作家の作品以外は新刊として一度店頭に並べられたあとは、注文しないかぎり一般読者の目には触れないという事になり、版元も在庫が切れれば品切れ・絶版扱いとなる。もちろん各社の出版目録に載っていようとも、実際書店に無いのでは絶版も同じなのである。
  そんな文庫の置かれた状況なんかも聞きかじっていたから、特に翻訳物などは気をつけていたが、このところはそのかいあってかおかしな本に出くわすこともある。
  最近のヒットは何と言っても角川文庫の『マドモアゼル傑作集(昭和四十五年八月十日初版発行)』常磐新平編(赤  二六四)である。
  読者の中にこの本を御存じの方或いは所有されている方はいらっしゃるだろうか。誠に奇妙というか、文字通り傑作である。
  だいたい背のタイトルが太めの明朝体と言うところから少し前の本であることが分かるし、表紙の少女の写真も内容を表しているのだかいないのだかさっぱり判らない辺り、実に怪しげでいいのである。
  内容は、アメリカで出ていた『マドモアゼル』という「若い女性の雑誌」(あとがきより)に載った短編小説のアンソロジーである。もちろん小女向けのものであったり、この中でしか見たことのない作家の作品もあったりはするが、中にはレイ・ブラッドベリやマルセル・エイメ、アルベルト・モラヴィアなどの作家も含まれアンソロジーとしてのまとまりも味つけもある。
  角川文庫はどういうわけか翻訳物に絶版が多く、バタイユの『マダムエドワルダ(昭和五十一年二月二十八日初版発行)』やサドの『恋のかけひき(昭和四十八年九月二十日初版発行)』など古書価格の高いものも少なくない。なかでも『怪奇と幻想』という全三巻のアンソロジーはずいぶん前から高かった。これは矢野浩三郎編で第一巻が「吸血鬼と魔女」二巻「怪物」三巻「残酷なファンタジー」という構成で、特に第一巻に収められた「吸血鬼ヴァーニー」は他では読めない貴重なものだ。実を言うとボクは第三巻の「残酷なファンタジー」を持っていない。どなたか手放してもいいという方がいたらぜひ連絡を頂きたい。
  またこの怪奇文学のアンソロジーという分野はいずれまとめて取り上げる予定なので、ご意見や資料などお寄せ頂ければありがたい。
  さて紙面も尽きてきた。絶版文庫はこれからも増え続けるし、その発掘と探索も続くだろう。いづれまたその成果を発表できれば、と思う。
〔おわり〕
初出/「TOWER」森海社刊・91年

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